2022年 2月
2021年 1月
2020年 7月
2019年 5月
令和元年5/18開始 埼玉県立歴史と民俗の博物館
会場は元の博物館に戻ります(2023年11月18日(土)から)
2018年 9月
佃收氏 歴史大賞【業績推薦部門】を受賞!
すべての著作(新「日本の古代史」(佃説)を除く)を全文pdfファイルで読むことができます。
青いボタンをクリックして、部または章などに区切ったpdfファイル(最高98ページ)をダウンロードしてください。
貴国の後の倭の五王、磐井の乱、物部麁鹿火王権、
俀国(阿毎王権)など主に5,6世紀の日本を支配した王権について詳述する
「九州の王権」と年号(その一)〜(その三)の三論文と
「九州年号」の要点をブログにまとめました。
【New】
いろいろな立場や見解をもつ様々な人たちから、既存の日本古代史の再検討を求める声が異口同音に聞こえてきます。
多くの識者の見識、研究者達の研究成果や在野の研究者の優れた知見を総合し、新たな日本古代史を構築する時期に来ています。
その構築に向けて、少しでも参考になればと考え、『新「日本の古代史」』の(上)、(中)、(下)に収録されていない佃論文についても、テーマと概要を示してpdfファイルで読めるようにしました。
80(1)号で高松塚古墳の被葬者を特定!
81(1)号で三角縁神獣鏡はすべて国産を科学的に示す
82号は「倭の五王」特集
歴史は総合的知識体系であり、自然科学を含む様々な分野の知見を必要とする領域です。
最近、歴史を直接の専門にしない方々が既存の歴史学の見解に対して異議を唱える等の本が多く出版されています。
そのような本の中で、作成委員会が特に興味深く読ませていただいた本の感想と、その本の中で提起された問題を解決するために作成委員会が佃收説から学んだことを示します。
魏志倭人伝レポート
歴史の解明は「時間(年代)」と「空間(場所)」の究明である。
「時間」と「空間」を究明するには
1. 論理的であること(根拠を明示すること)
2. 科学的であること(物的証拠を提示すること)
これが「歴史研究」の基本であり、どうしても必要なことであると考えて、研究を続けてきた。
日本古代史の基本的ないくつかの点について、私が得た結論を示し、新しい「日本史(古代)」を提言いたします。既存の日本古代史との違いに最初は驚かれる方もあるかもしれません。じっくり私の本を読んでいただき、科学的・論理的に検討・検証して、史実を求めていただきたいと思います。
上記の内容は、『新「日本の古代史」(下)』(平成29年7月1日発行)の巻末の「おわりに」のところで、まとめて述べているものと同じものです。
日本古代史は多くの謎に包まれています。よく言われている謎を10ほど書き並べてみます。
このような謎に対して、多くの魅力的な書物が作家や研究者などによって著されてきました。その中でも、古田武彦氏は40年以上前に、様々な検討の結果、魏志倭人伝の邪馬台国は邪馬壹国であることを指摘するなど、日本の古代史の解明に大きな足跡を残されました。2010年ミネルヴァ書房から古田武彦古代史コレクションが発刊され、発刊のことばでは「・・・・古田氏を抜きにして、論争は成立しうるのか。・・・古田史学のこれまでの諸成果を・・・順次復刊刊行し、大方の読者にその正否をゆだねたいと思う。・・・」とある。
私たちは、次の2つの条件を満たす日本古代史を探していました。1つは古田武彦氏の提起した問題意識をしっかり受け留めていること、2つ目は三国志、後漢書、隋書、旧唐書などは言うに及ばず、契丹古伝、三国史記や桓檀古記などの中国や朝鮮の文献も調べるなどして、東アジア全体の歴史の流れの中で総合的に日本古代史を構成しているという条件です。
この条件を満たしているものに、ついに私たちは出会いました。佃收氏は、「古代史の提言」シリーズとして『新「日本の古代史」(上)』、『新「日本の古代史」(中)』、『新「日本の古代史」(下)』の3冊と「古代史の復元」シリーズ①~⑧の8冊を出版されています。作成委員会は、すべてに目を通して、大きな感激を得ました。佃收氏の著作は、日本の古文書はもちろん中国や朝鮮の古文献をも調べ、文献が指し示すことと古墳などの遺跡から出土する物的証拠などとを比較検討して、論を組み立てています。著者の想像力だけによる論考ではなく、常に判断する証拠を示し、歴史的事象の時と場所を特定しながら古代史の解明に取り組んでいます。
既存の日本古代史は記紀の内容と異なるものはほとんど認めないという立場に立ちます。これに対して、既存の日本古代史の矛盾点を鋭く指摘する古田武彦氏の論考からも、多くを学ぶことができました。例えば「九州年号」について、約半世紀前、古田氏は「九州年号」の重要性を指摘しました。これに対して、既存の古代史は「九州年号」を後世の偽作だという立場をとりました。既存の古代史の側と古田氏を支持する側の激しい論争が繰り広げられました。しかし、法隆寺金堂の釈迦三尊像の光背銘の「法興」や続日本紀の神亀元年冬十月条の記事での「白鳳」と「朱雀」、その他各地での古文書などからも、偽作ではなく、その時代に明らかに流布されていたものであることが確認できます。更に、偽作か本物かの論議を超えて、佃氏は『新「日本の古代史」(中)』、『新「日本の古代史」(下)』の中の「九州の王権」と年号(その一)~(その六)と題する文書によって、「九州年号」を導きの糸として、阿毎王権(俀国)、上宮王権、豊王権、天智王権、天武王権の姿を描き出し、6世紀、7世紀の日本の歴史の輪郭を見事に叙述しています。
隋書俀国(たいこく)伝 [既存の日本古代史では隋書倭国伝と呼ばれている] に出てくる俀王多利思北孤は既存の古代史では聖徳太子であるとします。これに対して、古田氏は、俀王多利思北孤は九州王朝の上宮法皇であるとしています。私達は両方の主張に疑問を持ちます。この他にも、古田氏が主張する歴史的事象の中には首を傾げざるを得ないようなことも多々あります。
既存の日本古代史が正しいか、古田氏の説が正しいかを論じることを超えて、新たな日本の古代史を構築していく時期に来ているのではないでしょうか。記紀だけを正しいと認めるのではなく、今まで偽書として排斥されてきた文献や、中国や朝鮮の文献、更には多くの蓄積されてきた物的資料なども参考にして新しい日本の古代史を作りださなければなりません。そう決意して、佃氏は「歴史の提言」シリーズの題名を『新「日本の古代史」』にしたと思われます。
有名な古田氏の九州王朝説とはまた別の九州王権説を展開される佃氏の著作は、このように日本古代史の解明に大きく寄与できる内容であると思われますが、一般にはほとんど知られていません。佃氏は佃收著作集ホームページ作成委員会の要請に応じて、出版したすべての本をホームページ上にアップロードすることに同意してくれました。作成委員会は、著作を紹介すると共に、多くの皆様に佃氏の詳細で緻密な論考に接していただくために、「古代史の提言」シリーズ『新「日本の古代史」(上)』、『新「日本の古代史」(中)』、『新「日本の古代史」(下)』の3冊と「古代史の復元」シリーズ①~⑧の8冊、計11冊の全文をpdfファイルでアップロードしました。
佃氏の著作に触れられた皆様が、新たな日本古代史の構築に向けて少しでも参考になることがありましたら、作成委員会としては大変幸甚に存じます。
(作成委員会代表 本多)