佃收氏 歴史大賞【業績推薦部門】を受賞

大谷光男先生による推薦文

推薦文(大谷光男)
◆佃收(つくだおさむ)【業績推薦部門】
*「東アジアの古代を考える会」会員。その同人誌『古代文化を考える』の第11号(1984年)から第72号(2018年)まで毎号論文を掲載。
*佃氏は『古代文化を考える』を1995年から主宰し、現在会員は40名、研究誌は現在72号。
また、佃氏は単行本を①『古代史の復元シリーズ』8冊、②『古代史の提言シリーズ』3冊、計11冊を刊行している。各巻の研究誌は勿論、佃氏の単行本も極めて優れた内容であって、すでにご承知の通り、知名度は高く、よって、ここに積極的に推薦する次第である。なお、一言加えれば、氏は78歳という高齢にも拘らず、筆力は衰えず、もって研究者の模範として尊敬されるべき学者といっても過言でなかろう。

※ 大谷光男:歴史学者、二本学舎大学名誉教授。金印の研究や暦の研究で業績をのこす。(ウィキペディアより)
※ 「歴史研究会」は昭和33年(1958年)7月東京で発足した民間の歴史研究団体であり、月刊の会誌『歴史研究』を発行している。現在、登録人数はほぼ1万7千人であり、『歴史研究』も通巻663号となったと発表している。平成30年で60周年を迎えたことを記念して、9部門で歴史大賞を創設し、受賞者を掲げている。

佃氏の研究の4つの特質 ホームページ作成委員会より

長年の地道な研究が認められて、おめでとうございます。佃氏の論説を学んで来て、私たちは、氏の研究の4つの特質に思い至りました。
1点目は、記紀は言うに及ばず、中国や朝鮮半島の古文献等を深く理解していることです。ただ字面を追うのではなく、何回も何回も読み込んで、納得いくところまで理解を掘り下げてこられました。
2点目以降は、佃氏の簡単なプロフィルが示しているとも言えるでしょう。
まず最初に、2点目は物理的考察に強いということです。プロフィルに東京教育大学理学部数学科卒業とあります。佃氏から直接、次のことをお聞きしました。「本当は理学部物理科を志望していたが、諸事情のため、数学科を受けることにした。」物理的な考察は、氏にとっては得意な分野であります。顕著な例として、次のことを揚げることができます。古代史の復元シリーズ⑥『物部氏と蘇我氏と上宮王家』の第6部で法隆寺について論じています。ここでは、平井進氏の研究成果に触れ、古代の建築尺度から議論を組み立てています。古代史の復元シリーズ⑧『天武天皇と大寺の移築』では、飛鳥時の瓦の型式や寸法などから詳細な論を展開しています。
3点目は熊本県立玉名高校卒業とあることが示しています。熊本県玉名市に生まれ育ったためか、九州地方、取り分け有明海沿岸地方の地理に詳しく、これを生かして、記紀等の記述から、歴史的事柄の場所を特定しています。
4点目は、コンピュータ販売会社勤務とあることと関係しています。氏の年代の方には少ないと思われますが、早くからパソコンを利用して文書を作られ、資料を整理されています。
以上が、作成委員会が感じた佃氏の研究の4つの特質です。これからもこの特質を発揮され、大谷光男先生が指摘されているように、是非旺盛な研究を続けられるよう、作成委員会一同お祈りしています。

(平成30年9月 作成委員会代表 本多)

Copyright © Osamu Tsukuda. All Rights Reserved.